「被災地のリレー KOBE・塩谷・刈羽
『阪神淡路大震災15周年イベント交流研修』」
(2010年1月16日〜18日 兵庫県神戸市・西宮市)
 2010年1月16日〜18日の3日間、「被災地のリレー KOBE・塩谷・刈羽」と題して「阪神淡路大震災15周年イベント交流研修」を行いました。中越地震関係者から小千谷市塩谷集落、芒種庵をつくる会、小千谷闘牛振興協議会、小千谷復興支援室、中越沖地震から刈羽村の方々、その他関係者を含めて総勢26名が、震災15周年を迎える神戸市と西宮市へ向かいました。本研修は、現地での交流・経験を通じて、それぞれの“あの日”への思いを確認し互いの絆を深めること、そして、現地での見聞をそれぞれの復興への原動力とすることを企図したものです。

 16日朝7時に小千谷市を出発。前日の大雪による除雪徐行のため、やや予定よりも遅れましたが、10時間かけて無事に現地に到着しました。到着後、本研修の現地ホストを務めていただく大阪大学・渥美研究室と関西学院大学・関研究室を中心とする歓迎会へ。両校の学生たちは、震災時のボランティアやその後の地域復興の各種取り組みを通じて、小千谷や刈羽に関わっていた方も多く、そうした我々との関係から今回のホストを務めていただきました。久しぶりに会う方も多かったようで、昔の話から、将来の話まで、話は弾みに弾んでいきました。さらに場所を移して・・・と行きたいところですが、明日の行程は早朝から、早々と解散して明日に備えます。
 17日は「阪神淡路大震災1.17のつどい」に参加するために朝4時に起床。「阪神淡路大震災1.17のつどい」は、同震災のご遺族・ボランティア等を中心に運営される合同慰霊祭です。会場の東遊園地は、阪神淡路大震災の追悼モニュメントである「慰霊と復興のモニュメント」が建立されていることから、同震災における「よりどころ」の中核となっています。会場では「阪神淡路大震災1.17のつどい」の中心イベントである「1.17希望の光」が行われていました。会場に溢れんばかりの人がロウソクに火を灯すとともに、黙祷を捧げており、私達もあの日に亡くなられた方々のご冥福、そして、これからの安寧を願い、祈らせていただきました。
 会場をあとにし、新長田駅前で「1.17KOBE に灯りをin ながた」に参加する小千谷闘牛振興協議会を降ろし、西宮へ。西宮では日本災害救援ボランティアネットワーク主催の「あの頃と今を語り合う会」に参加させていただきました。本会は、災害を体験した人と体験していない人との接点をつくり、震災について様々な視点からゆっくりと話し合える場を創出することを意図して行われたものです。ここで話された話題の全てを取り上げることはできませんが、参加者達が自らの語りや他人の語りの中から、さまざまな発見をするという大変有意義な場となりました。被災の記憶の継承については、今後の中越や中越沖でも課題の一つとなって来ると思いますが、こうした場を定期的に設けること、そして、そこでの話題を記録していくことは重要な意味を持ってくるのではないでしょうか。
「あの頃と今を語る会」がじわじわと温まりだした頃、新長田駅前で行われている「1.17KOBE に灯りをin ながた」はにわかに活気づいていました。活気の中心は、小千谷闘牛振興会による「ぜんざい」と「小千谷の地酒」の無料配布。中越地震の際には、阪神淡路大震災の被災者から多くの励ましを頂いたという彼ら。あの時のご恩に応えるべく、この度のイベント参加となりました。600人分のぜんざいと12升の地酒が、わずか2時間で品切れとなり、大盛況のうちに配付が終了。また、同会場では、東遊園地同様に、キャンドルイベントが行われていました。震災当時、木造住宅が密集していた長田区では、建物の倒壊に加えて、大火災が発生し、多くの貴い命が奪われました。闘牛会一行も合間を縫って、ロウソクに火を灯すととともに、無くなられた方々のご冥福とこれからの平穏無事を祈念させていただきました。
 新長田駅前での活気が最高潮に達している頃、「あの頃と今を語る会」に参加していた一行は西宮を離れ、「人と防災未来センター」に到着。膨大な資料や展示物をゆっくりと眺めるにはやや時間が足りませんでしたが、語り部さんとの意見交換や震災記憶の継承のあり方から、自らの地域に関して気づかされることも多かったようです。
 人と防災未来センターを後にし、被災地NGO恊働センターへ。代表の村井さんや同センターに集まっていた方々から当時や現在の暮らしぶりについてお話をいただくとともに、意見交換をさせていただきました。お互い被災地という点では共通していますが、やはり都市と中山間とでは、色々と異なる点があるようで、大変勉強になりました。続いて、松方ホールで行われる「竹下景子 詩の朗読と音楽の夕べ」へ移動。本イベントは、阪神淡路大震災発生以来長らく続いているものです。主催者のお計らいにより、イベント休憩中に、竹下景子さんに直接お会いして、お話を頂ける機会を頂きました。
 18日は午前中に三宮周辺での「まちあるき」を行いました。震災から15年経った神戸の街並みをゆっくり確かめながら散策しました。「15年しか経ってないのに、ほとんど震災の傷跡が無い。やはり、人と金が自然に集まる都市部は、復旧も復興も早い・・・」との声が参加者から聞こえました。その一方、同伴の現地の方々から「一見、復興しているように見えるけれども、被災で身体障害者になった方々へのサポートのような、目に見える部分以外の復興にかかわる問題がまだまだ山積している」との生々しい意見も。様々な事を考えさせられる有意義な「まちあるき」となりました。
 三日間のKOBEでの研修から、参加された方々は様々なことを感じたかと思います。阪神淡路大震災1.17のつどい・あの頃と今を語る会・人と防災未来センターから「震災の記憶継承や共有」について、1.17KOBE に灯りをin ながた・被災地NGO恊働センターから「被災を通じた交流」について、まちあるきから「都市と農村の震災復興の在り方の違い」について、そして今回の研修を支えてくれた大学生達の献身から「人と人との絆」について・・・感じたことは、人それぞれで構わないかと思います。ただ、ここで得られた知見をどのように自らの生活に馴染ませ、そして、そこから得られた「思い」や「経験」をいかにして他地域に繋げていくのか、が今後大切になって来るかと思います。
「思い」や「経験」というバトンの受け渡しが日本や世界の被災地を繋いでいく、それが「被災地のリレー」です。参加者はKOBEの方々から無数の「思い」や「経験」のバトンを確かに受け取りました。KOBEから受け取った熱いバトン。今回の参加者達はこれを誰に渡すのでしょうか?